お客様事例

お客様事例 株式会社インフィニ トラベル インフォメーション様

PCI DSS準拠と内部統制対応。緻密な現状分析と丁寧な現場ヒアリングで、命題に応えたシステムを構築いただきました。株式会社インフィニ トラベル インフォメーション 企画部 副部長 畑 克也 氏/企画部 第3グループ リーダー 柿沼 隆幸 氏/営業本部 ITソリューション部長 長谷川 徹 氏

株式会社インフィニ トラベル インフォメーション・企業プロフィール

1990年の設立以来、航空会社と旅行会社間のオンライン航空座席予約システムなどを提供。数少ないGDS(Global Distribution System)ソリューションカンパニーとして、国内で高いシェアを誇る。多様化する価値観、旅行者のニーズに対応した、高品質なサービスで「空のインフラ」を支えている。従業員数:147名、売上高:52億8000万円(2014年度)。
ロゴ:株式会社インフィニ トラベル インフォメーション

新プロダクト、新制度に対応しきれない基盤システムを全面刷新

私たちインフィニ トラベル インフォメーションは航空座席の予約・発券をおこなうGDS(※1)のサービスを、航空会社300社、旅行会社約2500社に提供しています。航空座席の空席情報提供、予約から、食事などのリクエスト送信、運賃計算、発券、eチケットの発行までカバーしており、各予約内容や発券状況まですべてを正確に管理しています。
これまでIBM System i(AS/400)上に構築したシステムで、各航空会社、旅行会社との契約を管理してきたのですが、2000年に運用開始して以来、アプリケーションに大きな改修をおこなっておらず、さまざまな問題を抱えていました。
15年間で世の中のトレンドも大きく変わり、当社もマーケットでのシェアを拡大してきました。その過程で旅行者ニーズの多様化にともなう新たな旅行商品のリリースや、IATA(国際航空運送協会)の新制度への対応などが求められ、いままでのシステムでは対応しきれず、担当者が手作業で処理をする状況が続いていました。また、IBM System i(AS/400)で利用する独自の開発言語RPGの技術者も確保が難しく、小さな機能追加でも開発期間・コストがかかる課題もあり、2012年に社内システムの全面リプレイスを決断しました。

内部統制、PCI DSS準拠、そして「運用が変わっても対応しやすいシステム」を目指す

リプレイスに先立って当社では1年間かけてRFP(提案依頼書)を作成しました。新システムにおける必須要件は、当社がマーケットを拡大するにつれて多岐に渡るようになったバックオフィス業務全般をシステム化し、内部統制に対応させること、そしてクレジットカード情報取扱いのセキュリティ基準「PCI DSS」へ準拠させることです。また、新たなサービスやプロダクトを展開する中で運用が変わる可能性も大きいため、そのたびに高コスト・長期間の開発が必要になることを避け、柔軟かつスピーディに対応できるシステムであることも重要な要件としました。
これらの要望を満たすために日常業務を徹底的に分析し、もっとも効果的な解決策を導きだせるようゼロベースで考えた、かなり大胆なRFPを提示することとなりました。これだけの大きなシステム変更ですから、IBM System i(AS/400)にはこだわらず、オープン系既製パッケージを利用することも視野に入れ、幅広く提案を募るプロセスを採用したのです。

既存システムと変わらないように見えた丸紅ITソリューションズの提案に驚き、そして納得

このRFPをベースに数社に提案をお願いしたところ、オープン系サーバーやWindowsサーバーの利用でコストを低減する提案が多い中、唯一、既存システムと同じIBM Power Systems(AS/400)を利用するという提案をされたのが丸紅ITソリューションズ(以下、MISOL)でした。私たちは技術者確保などの問題からIBM Power Systems(AS/400)は難しいだろうと考えていたので、当初はMISOLの提案方針に驚きました。ですが、MISOLと会話を進めていく過程で当社の業務、運用はかなりユニークであったという点がわかり、「既存パッケージを利用してもカスタマイズが多くなり、バージョンアップ時に工数がかかってしまう。今回のシステムはパッケージの利点が活かせないためイチから開発した方が良い」というMISOLの提案に納得するものがありました。
さらに、長年使用してきた私たち自身にとってもブラックボックスだった既存システムのソースコードをMISOLが解析し、業務ロジックを明確化するとともに、ユーザーインターフェースはJavaで開発したWebアプリケーションとすることで、信頼性と操作性を両立させるとのご提案をMISOLからいただいたことも安心材料となりました。最終的にはシステム的なアプローチ、インフラ面での環境・性能、技術力など自信をもって提案していただいたことへの安心感など、コストとの総合的なバランスがよかったMISOLにお願いすることに決めました。

現場ユーザーの声をしっかり聞き、精度の高いシステムに

2013年からいよいよ開発がスタート。当社がユーザーの立場としてシステム開発に携わる際は、エンドユーザーである現場の要望を情報システム部門のITソリューション部でまとめるのが通常ですが、今回のシステムは運用の実態に即している必要があるため、基本設計・開発にあたってMISOLの方にも現場担当者と直接話してもらう機会を多く設けました。各旅行会社とそれぞれ独自の条件で契約していたため、その“最大公約数”をどこに置くのかが大きな課題でしたが、MISOLの方に直接現場の声を細かく聞いていただいたこともあり、開発が終わった段階でかなり精度の高いシステムに仕上げていただきました。
実は開発をおこなっている間に、運用が変わってしまった部分もありました。現場の要望としてはできる限り新システムに反映したいところですが、開発期間などの制限ももちろんあります。そういったイレギュラーな状況に対してもMISOLにはうまくコントロールしていただき、柔軟性があるという印象を持ちました。

新システム概要図

図:新システム概要図

運用・保守コストを抑え、PCI DSSに準拠

システムに対する必須要件であるPCI DSSへの準拠を目指すにあたり大きなメリットとなったのが、OSにIBM OS/400(IBM i)を採用したことです。そのほかのOSではアップデートやパッチ適用を頻繁におこなう必要があるのですが、OS/400(IBM i)はセキュリティ性能が高いため、OSアップデートが非常に少なく、コンサルティング会社や審査機関と相談のうえパッチ適用の運用軽減につなげることができました。
また、MISOLからはシステム構成において「クレジットカード情報を取扱う区画」と「それ以外の区画」をわけるという提案もいただき、PCI DSSに沿った運用をおこなう範囲を限定することで、運用負荷軽減につながっています。結果、運用コスト・工数を大きく削減しながら、スムーズにPCI DSSに準拠させることができました。

内部統制の効いた、健全なシステムを実現

2015年末に稼働を開始した新システムは、これまで各社ごとにバラバラだった契約に対して“最大公約数”にあたるスタンダードを定めるとともに、さまざまな契約条件にも柔軟に対処できるようになりました。例外的な契約についてもシステムから出力される営業用資料を利用することで契約内容、現在の状況を航空会社、旅行会社と共有し認識の相違を防ぐことができるようになりました。また、契約期間の終了や更新、支払い期限などもシステムで管理・通知されるなど、担当者の業務効率向上にも今後貢献させる予定です。以前はマニュアルで対応せざるを得なかった処理において、誤登録や不正処理に対して有効な手立てはありませんでしたが、新システムでは誤登録や不正を監視・発見できる、そしてそもそも不正ができないようにするといった、内部統制の効いたシステムを実現でき、安心感にもつながっていると思います。
今後は、新システムに蓄積したデータを活かし、今までにないサービスを生み出したいと考えています。新サービス開発においても、MISOLにはぜひご協力をお願いしたいと考えています。

※1 Global Distribution System。コンピューターを用いた予約・発券システムの総称。

記載されている内容は取材時の情報になります。また社名、製品名、サービス名、ロゴ等は一般に各社の商標または登録商標です。記載の内容は予告なく変更される場合があります。

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